「徒然草」
師走の風物詩、千本釈迦堂の「大根だき」
=======12月8日。京都の師走の風物詩、千本釈迦堂の「大根だき」に行った。=======
弘法大師秘傳による加持祈祷中風諸病除「大根だき授与」成道会法要。平たく言えば大根のおでん一椀が「参加料1000円」で食べられます。祈祷大根、判りやすくいえば大根一本を1000円で売っているわけでして。これが凄い人出なんですね。近所の八百屋さんで買えば一本せいぜい二百円位じゃないかなぁー、と。「付加価値」ってこんな判り易い事例はないですね。決して押し売りではなく、こんな高いのに、それこそ「喜んで!」買うわけですから。-----------------------------------例えば、この大根を食べても病気になる人はいるわけで。それでも決して怒って怒鳴りこんで行ったりしないもんね。普通、効能や性能が違った商品を買ったと知った場合、クレームがメーカーに入るもんだけど。「この程度の病気ですんでいるのは大根だきのお陰」、となるわけで。この季節におでんの大根というアイデアがいいですね。全国では大根を作っている村は多いもんねぇ。大豊作の時は畑にそのまま放っていて、車から見たらまるで雪が降ったように。あの村やこの村にこの付加価値のことを教えてあげたいなぁ。「それって京都だから可能なんですよ」って言うだろうけど。--------------------------------------------- この「大根だき」は釈迦が菩提樹(ぼだいじゅ)の下で悟りを開いた日(12/8日)にちなむ恒例行事。 鎌倉時代、三世慈禅上人が大根の切り口に梵字(ぼんじ)を書いて魔よけにしたのが起源とされています。聖護院大根のまるまると太った白い大根に梵字を書いてお釈迦さまを偲んだのがこの「大根だき」。 従来はこのまん丸大根を使っていたが、年々参拝者が多くなったことや、従来、お祓いをして栽培していた畑に新幹線が通ったりして大根の数が間に合わなくなり現在、写真のような大根を使っているのだそうです。 ----------------------------------------------- この千本釈迦堂は、京都の町が応仁の乱で焼け野原になってもこの建物だけ残ったという京都で一番古い建物です。----------------------------------- 建物の柱にはこんな伝説が伝わります。大柱の上部に升型の受けがある。これは、時の大工さんが寸法間違いで短く切ってしまったもの。どうしたものか、棟梁窮地に至る。その時、棟梁の妻の名案に因り足りない分を升型の受けを作る事で解決、目出度く完成をみた。竣工後、その妻は自分の提案だと言う事が知られれば夫の功名に差し支えるからと自害したという。その故事に因んで庭に「おかめ観音像」が奉られています。 ------------------------------------------------- この大根だき、サスガに旨い。良妻賢母の為の「料理の腕をあげたい!」祈願に打って付けの「大根だき」だと思ったことです。